新光産業きらら浜自然観察公園は、野鳥などのたくさんの生きものを観察し自然に親しむことができる公園です。 

 

新光産業株式会社

みどころ

11月のみどころ ~ 壮大な渡りをする「ハマシギ」 ~NEW

2024年10月30日


ハマシギ夏羽へ換羽中










ハマシギは20cm程の大きさで、長めのクチバシは先端の方で少し下に曲がっています。
山口湾には毎年数百羽の群れが越冬するために訪れ、公園の干潟にも良く姿を現します。


ハマシギ










公園の干潟には、満潮時に杭の上で休憩することが多く
その時間になると数百羽がひとつの杭に一羽ずつズラーっと並びます。
満潮時の杭の上は、タヌキやイタチ等の哺乳類から襲われるのを防げるだけでなく
人間も近寄らないため、安心して休むことができるのです。


ハマシギ飛翔 上面

ハマシギ飛翔 下面










ところが、ハヤブサやオオタカ等の猛禽類が彼らを狙ってやってくると
「捕まってなるものか!」と群れをなして逃げ回ることもあります。
ハマシギの上面はグレーを基調に白い横帯が入る模様で飛翔中は暗い色合いに見えますが
群れ全体が息を合わせて反転すると、真っ白の下面が見え
必死に逃げ回る彼らには気の毒ですが
その様子はとてもきれいで、見ていて思わず声が出てしまうほどです。
※彼らが園外から休憩のため飛んでくる時も同じような光景を見ることができます。


ハマシギ 標識付き










ハマシギは繁殖地の場所によって4つの亜種に分けられていて
山口湾で越冬するグループはアラスカで繁殖している個体群と考えられています。
数百羽のハマシギをじっくり観察していると、足にカラーフラッグを付けているものがいて
場合によっては、その個体が何処で、何時、誰によって標識されたか分かったり
オスかメスか等の情報まで記録されていたりすることもあります。
ハマシギは小さい野鳥ですが、長距離を渡る習性があるため
世界中で多くの研究者たちの研究対象になっています。

さぁ、そんなハマシギを11月はぜひ注目してください。(S)
 

10月のみどころ ~旅するチョウ「アサギマダラ」~NEW

2024年09月29日


アサギマダラ

アサギマダラ










「アサギマダラ」は「旅するチョウ」で
5月頃に南の地域から世代交代をしながら渡ってきます。
日本では主に山地で繁殖。幼虫はガガイモ科の植物を食草に育ちます。
公園では毎年10月の半ば頃、秋の渡りの時期にひらひらと飛ぶ姿を見ることができますが
この時期はヒヨドリバナ科の植物を好んで吸蜜します。


フジバカマ

フジバカマの植栽










そこで公園ではヒヨドリバナ科の「フジバカマ」を植えて
秋の渡りのアサギマダラを呼びよせる活動をしています。
作業は主に公園ボランティア「葦の会」が行っていますが
時には画像のように、レンジャークラブ「中高生クラス」の方々にもご協力いただき
「アサギマダラ・ロード」として整備しています。
さて、2024年も、まもなくアサギマダラの秋の渡りの季節がやってきます。
果たして、群れをなして飛ぶ光景を見ることができるのでしょうか!‽

浅葱色(アサギ色)という日本の伝統色は薄い水色で
アサギマダラには茶色と、このアサギ色の部分があり
アサギ色の部分は鱗粉が無く半透明なので
日の当たり方によってはステンドグラスの様で、とてもきれいです。
また、「渡りの経路解明」のため、捕獲して個体識別するためのマーキングをする活動も盛んです。
この調査によって、遠く香港や台湾など、海外と日本を行き来する個体がいることも分かっています。

渡りの時期は平地にも姿を現すアサギマダラなので
皆様のお近くでも観察することができるかもしれません。
注意してみてください。(S)
 

9月のみどころ ~ トノサマバッタの色 ~

2024年09月01日

9月になるとバッタの仲間が大きく育ち、見つけやすくなります。
バッタと言えば、大きな体の「トノサマバッタ」が良く知られていて、公園でも観察できます。
さて、この「トノサマバッタ」、お馴染みは緑色ですが、茶色のものもいます。

トノサマバッタ 緑

トノサマバッタ 茶色










翅の色はどちらも茶色ですが、頭・胸・後ろ足に違いがあるのです。
捕まえたり、写真に撮ったりして比べてみると、確かにその体の作りは同じです。
同じ種類なのに、緑色のものと茶色のものとふたつの色のタイプがあるものには
ショウリョウバッタや、カマキリの仲間にも見られます。


ショウリョウバッタ 茶色

ショウリョウバッタ 緑











ハラビロカマキリ 茶色

ハラビロカマキリ 緑










そんな色の違いに注目して、バッタやカマキリ観察を楽しんでください。(S)
 
 

8月のみどころ ~ ハクセンシオマネキ ~

2024年07月31日

8月のみどころは「ハクセンシオマネキ」というカニ観察をお勧めします!
観察ホールの望遠鏡を使って、干潮時に目の前に現れる干潟を見てみると
ものすごい数のカニが居るのに気が付きますが、そのほとんどがヤマトオサガニです。
その中から、ぜひ、「ハクセンシオマネキ」を探してみてください。
※参考:環境省レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類となっています。

縄張り激戦区

にらみあい

にらみあい










ハクセンシオマネキは甲羅の幅が2cm程の小さなカニですが
オスは片方のハサミが極端に大きい特徴を持っているので、すぐにそれと分かります。
観察ホールの近くにも沢山集まっている所があり
縄張り争いの激戦区になっています。上の画像1枚目
そして、オス同士が近づきすぎると、まずは、にらみ合いが始まります。
2枚目の画像はまだ穏やかな感じですが
3枚目の画像ではハサミを横に広げて、その大きさを誇示しているようです。

雄たけび

決闘










上1枚目の画像は、大きくハサミを振り上げて、さらに自分の強さをアピールしているところです。
このハサミの動きが「潮を呼んでいる仕草」の様に見えるため
「潮招き=シオマネキ」と名付けられています。
「ハクセン」はその大きな白いハサミが、まるで「白い扇子」の様だからだそうです。
そして、さらにその距離が縮まると、上画像2枚目の様に「決闘」が始まります。

右のハサミが大きい

左のハサミが大きい

超合金の様なハサミ










ところで、このオスの大きなハサミ、必ず右が大きいなどといった決まりはなく
上の画像の様に左が大きい個体と右が大きい個体とどちらも居ます。
また、ちょっと角度を変えて見てみると(3枚目)、その構造は
「ガンダ○」か、はたまた「エヴァンゲリ○ン」かと、超合金を思わせるハサミと分かります。
この様に小さな体のわりに、大きなハサミを持つ「ハクセンシオマネキ」の魅力を
ぜひともご堪能いただければと思います。

チラ見










最後の画像は、警戒しながらも巣穴の中から「チラ見」している様子です。
ソメイヨシノのサクランボが膨らみはじめた様な目がキュートじゃないですか。(S)
 

7月のみどころ ~ まだまだ続くセッカの子育て ~

2024年06月30日

7月になると、それまで盛んに鳴いていた野鳥の声
特に「さえずり」と呼ばれる繁殖期にオスが発する
「縄張り主張」と「メスへのアピール」の声(ウグイスであれば♪ホ~ ホケキョッ♪)
が少しずつ聞かれなくなります。
これは、多くの野鳥の繁殖期(交尾・造巣期)の終わりを意味します。

セッカ










ところが、画像の「セッカ」という野鳥は
毎年8月、9月になっても「さえずり」を確認することができます。
見た目の特徴は、13㎝の小さな体は日本でも最小クラスのサイズと
尾羽の模様に強いコントラストがあることです。


セッカ さえずり飛翔

セッカ










また、飛びながら「さえずる」ディスプレイフライト(さえずり飛翔)を行い(画像左)
その鳴き声も ♪ヒッ ヒッ ヒッ♪ と ♪チャチャッ チャチャッ♪と2種類を使い分けます。
小さな体ながら声量もあり、そのアピール方法も含め存在感のある野鳥です。
繁殖期の口の中が真っ黒になるのも「みどころ」で
運がいいと、ヨシの茎や葉に止まって鳴いている時に確認することができます。(画像右)


セッカ 巣材運び










巣はクモの糸を使って、まるで裁縫でもするかのように作り
チガヤの穂などを運ぶ様子も観察できます。
他の野鳥より長く続くセッカの繁殖行動を、ぜひ注意して観察してみてください。

7月のぶち楽しいバードウォッチング④は「まだまだ続くよセッカの子育て」です。
少し多めにセッカ観察を楽しみたいと考えているので
気になる方は参加募集チラシをご覧いただき、ぜひお申込みください。
2024.07.14(日) ぶち楽しいバードウォッチング④「まだまだ続くよセッカの子育て」募集チラシ

宜しくお願いいたします。(S)
 

6月のみどころ ~ トンボの見頃ろ ~

2024年05月31日


チョウトンボ

ギンヤンマ

ヒヌマイトトンボ










6月~7月はトンボ観察をお勧めします。
というのは、この時期は1年を通して種数と個体数が多いからです。
例えば、チョウトンボはメタリックの羽が鮮やかなトンボですが
当公園では7月になると50頭ほどの群れになって乱舞する様子を観察できることがあります。
また、環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠA類に指定されている
ベッコウトンボの成虫発生のシーズンは終了していますが
続くように絶滅危惧ⅠB類のヒヌマイトトンボの成虫が6月~7月に発生します。
ただし、ヒヌマイトトンボは個体数が非常に少ないので観察には根気が必要です。
ギンヤンマは大型なので、見つけやすく、その堂々とした振る舞いは
当公園のキング・オブ・トンボ!と言える存在です。

トンボはその形態によりいくつかの科に分けられていて
それぞれ大きさや体型だけでなく、止まり方や翅の閉じ方も違いがあります。
上の画像で確認できるように
チョウトンボ ⇒ 翅を広げて地面と水平に止まることが多い。
ギンヤンマ  ⇒ 翅を広げてぶら下がるように止まる。ヤンマの仲間
ヒヌマイトトンボ ⇒ 翅を閉じて止まる。イトトンボの仲間
また、縄張り争いや、テリトリーのパトロールの他
交尾や産卵などの行動を観察するのも楽しいものです。

これからの季節、「トンボの見頃ろ」となってきます。(S)
 

5月のみどころ ~ オオヨシキリ ~

2024年05月01日


オオヨシキリ

オオヨシキリ

オオヨシキリ幼鳥










毎年4月20日頃になると
公園のヨシ原に ♪ギョギョシ ギョシ ギョッギョッギョッ♪と
大きな声で鳴く野鳥が渡ってきます。
今年は4/16(火)に園内に響き渡るその声を確認できました。
その野鳥の名前は「オオヨシキリ」。
オリーブがかった褐色の上面に、腹部は白のツートンカラーと控えめな色合いですが
体長が18㎝とスズメよりもひと回り大きい上、とにかく大きな声でさえずるので
見つけるのはそれ程難しくはありません。
ヨシの葉や茎に止まって鳴くだけでなく、周辺の樹木の上で鳴くこともあるので
声を頼りに姿を探してみてください。
上手に探すことができたなら、お勧めは口の中の色合いの観察です。
鮮やかなオレンジ色が印象に残るはずです。

ヨシ原で子育てを行い、6月になると巣立った幼鳥も見つけやすくなります。3枚目の画像。
7月になると、次第にさえずりも聞こえなくなり
9月になると東南アジアなどで越冬するための渡りが始まります。
公園で繁殖する夏鳥「オオヨシキリ」をじっくり観察してみてください。(S)
 

4月のみどころ ~ ベッコウトンボ ~

2024年03月31日


ベッコウトンボ オス

ベッコウトンボ メス










3/31(日)に今年初認となるベッコウトンボの成虫を確認しました。 
これからヨシ原周辺ではベッコウトンボの成虫が見られるようになります。
ベッコウトンボは全国でも生息場所が限られており
生息数も少ないため環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されているトンボです。


人工飼育のケース

人工飼育の幼虫

人工飼育個体の羽化










また、種の保存法により希少野生動植物種に指定されており
環境省の許可を得ず捕獲や飼育することが禁止されていますが
当公園では保護のため、許可を得て人工飼育も試みています。

 
未成熟の成虫の体色は名前の通りベッコウ(海亀の甲羅で作った加工品)の色で
成熟するとオスは黒色、メスは濃い茶色になります。メスや未成熟のオスは草地で過ごすので
この色だと見つけにくいからだと考えられています。ただし、成熟したオスは水辺で縄張りを
持つようになり、見つけやすくなるので観察してみてください。
5月いっぱいが成虫の発生する時期です。

ベッコウトンボに関する行事のお知らせ!
●4/27(土)10:00~12:00「ベッコウトンボ調査」※雨天時は中止
●5/3(金祝)10:00~12:00「ベッコウトンボ観察会」※雨天順延の場合は5/5(日)
近々チラシも掲載いたします。ぜひ、ご参加ください!

どうぞ、宜しくお願いいたします。(S)
 

3月のみどころ ~ ヨシ焼き後に集まる野鳥 ~

2024年02月28日


ヨシ焼き










ヨシの健全な成育のため、毎年3月の第1土曜日は「ヨシ焼き」が実施されます。
もちろん、焼いた後は真っ黒焦げの景色となり
こんな所に生き物は居ないかのように見えますが
露出した地面は、意外と彼らにとっての食べ物が都合良く採れるため
青々とした、或いは枯れたヨシ原とはまた違った、野鳥たちが集まります。


ヒバリ

タヒバリ










まずはヒバリ。
開けた草原や農耕地を好み、公園の外の干拓地の方が見つけやすいですが
真っ黒焦げのヨシ焼き跡地は格好の採食場所となります。
タヒバリもそんな焼き跡で見かける場合があります。
胸・腹に縦斑がありビンズイに似ていますが
上面が灰色味がかるのと、目の後方下にある白斑がはっきりしないことで区別できます。


ツグミ

タシギ










シロハラに比べ、開けた明るい場所で採食するツグミも来るかもしれません。
今年は2月になってから個体数が増えてきたように感じるので期待しましょう。
それと、タシギも見つけやすくなりますが、こちらに気づくとじっして動かなくなり
距離が近づき我慢の限界になると、やっと♪ジェッ♪と鳴いて一直線に飛び去ります。
たいてい人間の方が後から気づくことがほとんどで、突然の飛び立ちにドキッとさせられます。
その他、水位によってはカモのシマアジが入ることもあります。
そんなヨシ焼き跡地にご注目ください!

ちなみに今年の「ヨシ焼き」は3/2(土)。
気になる方はボランティア募集チラシをご覧ください。
PDFファイル「ヨシ焼き」ボランティア募集チラシ

見学だけでも構いません。
「阿知須の春の風物詩」としてお楽しみください。(S)
 

2月のみどころ ~ 二ホンアカガエルの産卵 ~

2024年01月28日


卵塊

オタマジャクシ

成体










今年の立春は2月4日(日)で、この日を境に春がやってくるという意味がありますが
気温の上で暖かいと感じることはまだまだ先のことですよね。

そんな寒さの中でも、ニホンアカガエルは産卵の時期を迎えます。
昨年は1月25日の大寒波の中で、公園の西園路にあるビオトープで3つの卵塊を確認しましたが
今年は暖冬傾向なのに、まだ確認できていません。※実は今日は見に行けてないんですよね...
明日から温かい雨が降るので、ニホンアカガエルの産卵スイッチが入るのではと思います。

水温等によりふ化するまでの期間は違ってくると思いますが
2月中旬~下旬位にはオタマジャクシの姿が見られることでしょう。
産卵の期間が長く、卵塊によって成長具合の違いを比べたり
最大で何個まで増えるか毎週数えてみたりなど、みどころはいっぱいです!


成体は3枚目の画像。
産卵は暗い内に行われるので、なかなか姿を見ることはありませんが
それでも産卵期間中は水辺から離れず水中や近くの草むらに潜んでいるので
じっくり探せば親ガエルも見つかるかもしれません。

また、ノスリという鷹はカエルも大好きなので
ビオトープの近くに居るかもしれません。
そんな自然のつながりも楽しんでみてください。(S)
 

1月のみどころ ~ 猛 禽 類 ~NEW

2023年12月24日

公園で見ることのできる猛禽と言えば
「ミサゴ」と「トビ」それと「ハヤブサ」を留鳥として1年中観察できますが
寒い時期をきらら浜の周辺で過ごす猛禽が増えるため、1月は猛禽類観察にお勧めの時期となります。
「オオタカ」「ハイタカ」「チュウヒ」「ハイイロチュウヒ」「ノスリ」「チョウゲンボウ」
「コチョウゲンボウ」「コミミズク」「トラフズク」などが冬の猛禽として挙げられます。

猛禽類は警戒心の強いものが多く
私たちが気づく前に逃げてしまったり、木の陰などに潜んでいたりと
なかなか姿を見るのが難しいものです。

観察ポイントとしては
➀「飛翔する猛禽を探す」
…とても分かりやすい探し方で、シルエットや模様を覚えておくと識別しやすくなります。

ノスリ










上の画像はノスリで、腹巻のような褐色の模様がでるのが特徴です。
今シーズンは少ないように感じます。

②「それぞれの種が好きな場所や時間帯で予想する」
…公園内では
……ヨシ原 チュウヒやハイイロチュウヒが飛びながら獲物を探す

ハイイロチュウヒ










……干 潟 ハヤブサが杭で休憩しているシギやチドリ類を襲いに現れる
……樹林帯 オオタカやハイタカ 樹上に止まって休憩しながら獲物を探す。

ハイタカ

トラフズクの翼

トラフズク

      








      トラフズクは夜行性なので、日中は繁った樹木の中に潜んでいるかもしれません。
      2枚目の画像は12月に園内で拾った捕食された(?)トラフズクの翼です。
      居るんですねぇ~~~! 
      居るとすれば3枚目のようなイメージで発見できるかもしれません。
…公園外なら
……夜行性のコミミズクは干拓地で夕暮れから飛び回ります。
……チョウゲンボウなども干拓地の方が見やすいです。

ご紹介した猛禽類は群れで行動しないため、「居るけれど、観察は意外と難しい」ですが
感覚を研ぎ澄まして猛禽類探しに挑戦してみてください。(S)
 

12月のみどころ ~ メジロの群れ ~

2023年11月30日


メジロ

メジロとトベラの実

羽繕いをするメジロ










メジロと聞けば「あぁ~ あの鳥ね」と
すぐに思い浮かべることのできる方が多いと思いますが
公園では寒い季節に観察がしやすくなる野鳥です。

なぜかと言うと
冬季は十数羽の群れで行動するようになるのと、特徴的な声で良く鳴くからです。
特徴的な鳴き声 その1  チー チー  尻下がりの声調 ※中国語の第4声 
特徴的な鳴き声 その2  ピリリリリリリ 

メジロはとてもきれいな羽色をした野鳥で
頭や翼、尾羽はいわゆる「ウグイス色」(※ウグイスの羽色は地味なオリーブ色です)
喉はレモンイエローが鮮やかで、中にはお腹もレモンイエローの羽を持つ個体(オス?)もいます。
そして脇腹の茶色い羽も全体を引き立たせる良いアクセントになっているように感じます。

小さな昆虫やクモなども食べますが、観察しやすいのは木の実を食べる様子です。
2枚目の画像は園内に沢山植えてある「トベラ」の実です。
ひきわり納豆の様なネバネバした実はオレンジ色なので
メジロと撮影すれば「映える」こと間違いなし!
また、3枚目の画像の様に、仲睦まじい姿を見せてくれることもあり
そんな姿を観察できたら「目白押し」ならぬ「メジロ推し」になってしまうでしょうね!

繁殖期を含む初夏~秋は、ほとんど姿を見かけませんが
これからの寒い時期は公園の樹林帯を中心に、ヨシ原も利用するので
彼らの声や気配を頼りに探してみてください。(S)
 
 

11月のみどころ ~ ヨシ原のオオジュリン ~

2023年10月31日


オオジュリン

オオジュリン

公園のヨシ原










春から夏のヨシ原は青々と茂り、オオヨシキリの子育ての場として利用されますが
そのヨシも秋になると葉や茎は枯れてしまい、一見すると生き物はいないように思えます。
でも、公園のヨシ原は冬鳥としてやってくる「オオジュリン」たちの大切な生息場所となります。
羽色は冬のヨシ原でカモフラージュとなることを想定するかのような地味な配色で
じっとしているとなかなか見つけづらく、動いている時でも
♪チー♪ とか ♪チュイ~ン♪といった声や、お腹の白い部分
それと、揺れ動くヨシを頼りに探すことになります。
ヨシの茎の鞘(さや)のすき間には、彼らが大好きなカイガラムシの仲間がいて
この虫目当てに皮をはがして採食している様子も観察できるかもしれません。
多くのオオジュリンが越冬しにやってきますが
広いヨシ原ですから、じっくりと探してみてください。

2枚目の画像は3月に撮影したもので、頭や顔が黒くなってきているのが分かります。
オオジュリンのオスの夏羽は頭と顔の羽が摩耗して真っ黒な部分が見えるようになり
黒頭巾を被ったように変化します。
年が明け、2月の節分あたりから次第に写真の様な個体も観察できるようになるので
越冬期のオオジュリンの羽色の変化も、これまた気長に注意してみてください。(S)
 

10月のみどころ ~ マイコアカネ ~

2023年09月29日

10月はアカトンボの仲間の成熟個体を多く見ることができる月でもあります。
中でも注目は「マイコアカネ」で、オスの成熟個体の顔の色の鮮やかさです。

マイコアカネ

マイコアカネ










人に例えればちょうど鼻の位置に当たる部分が少し薄めの「ターコイズブルー」になるのです。
この色の鮮やかさを京舞妓になぞらえて「舞妓」という名が付けられたそうです。
オスの成熟個体は腹部も唐辛子の様に赤くなり
そのツートンカラーのコラボには、自然界の色の “妙” さえ感じるほどです。
園内では園路脇の植栽でも良く観察できるので探してみてください。

その他、園内で良く見ることのできるアカトンボの仲間に
「リスアカネ」や「ノシメトンボ」がいます。

リスアカネ

ノシメトンボ










アカトンボの仲間のバリエーションをお楽しみください。(S)
 

9月のみどころ ~ 秋のバッタ ~

2023年08月30日

この時期のお勧めのひとつに「バッタの仲間観察」があります。
バッタは広く捉えれば 
➀バッタの仲間(ショウリョウバッタやトノサマバッタ)
②キリギリスの仲間(ツユムシやササキリ)
③コオロギの仲間(エンマコオロギやスズムシ)
があり、ご近所の公園や空き地、河川敷の草むらで見つけることができます。

では、公園で見られる代表的なものを3つ紹介します。

トノサマバッタ

カヤキリ

エンマコオロギ










・1枚目画像 「トノサマバッタ」はその名の通り
 「バッタの中のバッタ」で一番バッタらしい姿をしているとおもいませんか?
 後ろ脚にある棘や頭と羽をつなぐ鎧の様な外郭は、もうすごいとしか言いようがありません。
 公園では芝生広場で見つけやすいです。

・2枚目の画像 
 「カヤキリ」は大型のキリギリスの仲間で6~7cm かなり迫力のある顔をしています。
 強力なアゴを持っていて噛まれるとかなりのダメージを受けるので注意が必要。
 この画像でわかりづらいのですが
 トウモロコシの様な黄色の部分の後ろに見える赤茶色のものがアゴです。
 公園ではヨシ原にいますが、9月になると少しずつ見つけづらくなるかもしれません。

・3枚目の画像 最後は「エンマコオロギ」。
 閻魔大王に似た怖い顔をしているのでこの名前がついていますが
 私はいつも「天津甘栗だっ!」と思ってしまい、むしろ「かわいいっ」と感じます。
 ♪フィー リー リー♪と涼しげに鳴くので、声からも楽しめます。
 バッタの様に驚いて飛ぶということはないので、地面を探すと見つかります。

それにしてもバッタの仲間の「顔」や「姿」はUPで見ると、なかなかの迫力ですね。
当公園では生き物の採取・採集・持ち帰りはご遠慮いただいていますので
じっくり観察した後は元の場所に逃がしてください。(S)
 
 

8月のみどころ ~ 干潟のカニ ~

2023年07月23日

干潮時に陸地が現れる「干潟」には、沢山の生き物が暮らしていますが
夏真っ盛りの公園で見つけやすいカニの仲間を紹介します。


ヤマトオサガニ
 

いちばん沢山生息しているのはヤマトオサガニ。
泥質が大好き。
白く、への字の形をしたハサミはオスでも小さめで
挟まれたとしても痛くありません。





オサガニ



砂質が好きで、ヤマトオサガニと住み分けている?
オスのハサミはオレンジ色っぽく、つぶつぶがあります。
公園の干潟ではあまり多くありません。





ハクセンシオマネキ



オスのハサミは片方だけが特別大きく
干潮時に手招く様に振る求愛行動をします。
砂質が好き。





コメツキガニ


甲羅の幅は1㎝ほどと小さなカニ。
丸みのある体が特徴的です。
砂に含まれる有機物を食べますが
食べた後の砂団子を巣穴の近くに残すので見つけやすい。
砂質が好き。




チゴガニ

その名の通り(チゴ=稚児)これも小さなカニです。
コメツキガニと同様に砂や泥団子を作ります。
求愛行動は白いハサミを両方そろえて上下に振り下ろす
「万歳」の様な動きをします。
腹面や口周辺がターコイズブルーの様に
鮮やかになるものもいます。




アシハラガニ


この中ではいちばん大きいカニで、甲羅の幅は3.5cm位。
体は青みがかった色合い。
ハサミも太くしっかりしていて、挟まれると痛いです。
その名の通り、ヨシが生えた岸辺に多く見られます。




この様なカニたちを観察するには、公園の「干潟ふれあいゾーン」がお勧め!
他にも愛嬌のある魚「トビハゼ」や「ヤドカリ」に出会えます。
スコップと飼育ケースやバケツ、トビハゼを捕まえるなら網等をご持参ください。
カキ殻で怪我をすることがあるので、長靴と軍手も必需品です。
観察の後、捕まえた生き物は逃がしてくださいね。
泥を落とす水道もご利用いただけます。
そうそう、干潮時に遊びにいらしてください!

お待ちしておりまーす!
 

7月のみどころ ~ アカテガニのバリエーション ~

2023年06月29日


全身赤いタイプ

半分赤いタイプ











黄色が入るタイプ

甲羅にちょい赤タイプ










春から秋にかけて園路でよく見かけるアカテガニ、梅雨時は特に活発に動き回ります。
甲羅の模様に注目してみると、いくつかパターンがあるのが分かります。
全体的にオレンジ系のもの、半分だけ赤いもの、目の辺りの縁が黄色いもの、
全体的に黒ですが目の後ろに少し赤みがあるものなど様々で、個性を感じます。


抱卵

メス

こども










卵を持っていればメスです。
メスはオスよりひと回り小さいものが多く、ハサミも小さめで色も赤みの弱いものが多いです。
5枚目の画像の抱卵中のメスはなかなか立派なハサミで赤みも強いですね。
6枚目の画像の真ん中右はメスで、オスより小振りでハサミも小さく赤みも弱いです。
メスの左が昨年生まれ(?)の子ガニで、だいぶ小さく
この個体はオスですが、まだ赤みはありません。

こやって見ると、アカテガニのバリエーションが色々知れて面白いですね。
これからの時期、雨が降っても楽しめる(いや、むしろ雨が降った方が楽しめる!!!)
アカテガニ観察やカエル観察等で公園の自然をお楽しみください。(S)