12月のみどころ ~ ズグロカモメ ~
2024年11月30日
冬の公園で良く観察することのできるカモメと言えば「ズグロカモメ」です。
全長30cmとカモメの仲間としては小型で
園内にも時折飛来する40㎝のユリカモメはひと回り大きく
60cmのセグロカモメは倍近い大きさで、横に並ぶとこちらは随分違います!
ズグロカモメ
ユリカモメ
セグロカモメ
見た目の良く似ている「ユリカモメ」との違いは、前述の大きさ以外に
・クチバシ ズグロカモメ:黒く短い ユリカモメ:赤く長い
・風切り羽 ズグロカモメ:ゼブラ模様(成長) ユリカモメ:黒地に小さな白斑(見えないことも)
があるので、大きさ以外でも識別の参考にしてみてください。
「ズグロ=頭黒」という名前は、夏羽では黒い頭巾を被ったような色合いになるためで
2月後半位から換羽が始まると次第に黒い頭の個体が見られるようになります。
ズグロカモメ夏羽
公園では毎年100羽程が11月~3月位にかけて越冬のため飛来し
真冬でも活発に動いているヤマトオサガニを探し捕食しているの見ることができます。
満潮時でも水深の浅い公園の干潟はヤマトオサガニを捕まえるには絶好の環境のようで
飛びながら探し、見つけると海面に向かって一気に急降下!
画像の様に捕まえる瞬間を観察ホールからでも間近に見ることができます。
ズグロカモメ飛翔
ズグロカモメ カニGet!
ズグロカモメ
極東地域にのみ生息し、2008年には全世界で約15,000羽とされ
環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類の守るべき野鳥のひとつです。
12月になると個体数も増えてくるので、ぜひ、観察してみてください。(S)
全長30cmとカモメの仲間としては小型で
園内にも時折飛来する40㎝のユリカモメはひと回り大きく
60cmのセグロカモメは倍近い大きさで、横に並ぶとこちらは随分違います!
ズグロカモメ
ユリカモメ
セグロカモメ
見た目の良く似ている「ユリカモメ」との違いは、前述の大きさ以外に
・クチバシ ズグロカモメ:黒く短い ユリカモメ:赤く長い
・風切り羽 ズグロカモメ:ゼブラ模様(成長) ユリカモメ:黒地に小さな白斑(見えないことも)
があるので、大きさ以外でも識別の参考にしてみてください。
「ズグロ=頭黒」という名前は、夏羽では黒い頭巾を被ったような色合いになるためで
2月後半位から換羽が始まると次第に黒い頭の個体が見られるようになります。
ズグロカモメ夏羽
公園では毎年100羽程が11月~3月位にかけて越冬のため飛来し
真冬でも活発に動いているヤマトオサガニを探し捕食しているの見ることができます。
満潮時でも水深の浅い公園の干潟はヤマトオサガニを捕まえるには絶好の環境のようで
飛びながら探し、見つけると海面に向かって一気に急降下!
画像の様に捕まえる瞬間を観察ホールからでも間近に見ることができます。
ズグロカモメ飛翔
ズグロカモメ カニGet!
ズグロカモメ
極東地域にのみ生息し、2008年には全世界で約15,000羽とされ
環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類の守るべき野鳥のひとつです。
12月になると個体数も増えてくるので、ぜひ、観察してみてください。(S)
11月のみどころ ~ 壮大な渡りをする「ハマシギ」 ~
2024年10月30日
ハマシギ夏羽へ換羽中
ハマシギは20cm程の大きさで、長めのクチバシは先端の方で少し下に曲がっています。
山口湾には毎年数百羽の群れが越冬するために訪れ、公園の干潟にも良く姿を現します。
ハマシギ
公園の干潟には、満潮時に杭の上で休憩することが多く
その時間になると数百羽がひとつの杭に一羽ずつズラーっと並びます。
満潮時の杭の上は、タヌキやイタチ等の哺乳類から襲われるのを防げるだけでなく
人間も近寄らないため、安心して休むことができるのです。
ハマシギ飛翔 上面
ハマシギ飛翔 下面
ところが、ハヤブサやオオタカ等の猛禽類が彼らを狙ってやってくると
「捕まってなるものか!」と群れをなして逃げ回ることもあります。
ハマシギの上面はグレーを基調に白い横帯が入る模様で飛翔中は暗い色合いに見えますが
群れ全体が息を合わせて反転すると、真っ白の下面が見え
必死に逃げ回る彼らには気の毒ですが
その様子はとてもきれいで、見ていて思わず声が出てしまうほどです。
※彼らが園外から休憩のため飛んでくる時も同じような光景を見ることができます。
ハマシギ 標識付き
ハマシギは繁殖地の場所によって4つの亜種に分けられていて
山口湾で越冬するグループはアラスカで繁殖している個体群と考えられています。
数百羽のハマシギをじっくり観察していると、足にカラーフラッグを付けているものがいて
場合によっては、その個体が何処で、何時、誰によって標識されたか分かったり
オスかメスか等の情報まで記録されていたりすることもあります。
ハマシギは小さい野鳥ですが、長距離を渡る習性があるため
世界中で多くの研究者たちの研究対象になっています。
さぁ、そんなハマシギを11月はぜひ注目してください。(S)
10月のみどころ ~旅するチョウ「アサギマダラ」~
2024年09月29日
アサギマダラ
アサギマダラ
「アサギマダラ」は「旅するチョウ」で
5月頃に南の地域から世代交代をしながら渡ってきます。
日本では主に山地で繁殖。幼虫はガガイモ科の植物を食草に育ちます。
公園では毎年10月の半ば頃、秋の渡りの時期にひらひらと飛ぶ姿を見ることができますが
この時期はヒヨドリバナ科の植物を好んで吸蜜します。
フジバカマ
フジバカマの植栽
そこで公園ではヒヨドリバナ科の「フジバカマ」を植えて
秋の渡りのアサギマダラを呼びよせる活動をしています。
作業は主に公園ボランティア「葦の会」が行っていますが
時には画像のように、レンジャークラブ「中高生クラス」の方々にもご協力いただき
「アサギマダラ・ロード」として整備しています。
さて、2024年も、まもなくアサギマダラの秋の渡りの季節がやってきます。
果たして、群れをなして飛ぶ光景を見ることができるのでしょうか!‽
浅葱色(アサギ色)という日本の伝統色は薄い水色で
アサギマダラには茶色と、このアサギ色の部分があり
アサギ色の部分は鱗粉が無く半透明なので
日の当たり方によってはステンドグラスの様で、とてもきれいです。
また、「渡りの経路解明」のため、捕獲して個体識別するためのマーキングをする活動も盛んです。
この調査によって、遠く香港や台湾など、海外と日本を行き来する個体がいることも分かっています。
渡りの時期は平地にも姿を現すアサギマダラなので
皆様のお近くでも観察することができるかもしれません。
注意してみてください。(S)
9月のみどころ ~ トノサマバッタの色 ~
2024年09月01日
9月になるとバッタの仲間が大きく育ち、見つけやすくなります。
バッタと言えば、大きな体の「トノサマバッタ」が良く知られていて、公園でも観察できます。
さて、この「トノサマバッタ」、お馴染みは緑色ですが、茶色のものもいます。
トノサマバッタ 緑
トノサマバッタ 茶色
翅の色はどちらも茶色ですが、頭・胸・後ろ足に違いがあるのです。
捕まえたり、写真に撮ったりして比べてみると、確かにその体の作りは同じです。
同じ種類なのに、緑色のものと茶色のものとふたつの色のタイプがあるものには
ショウリョウバッタや、カマキリの仲間にも見られます。
ショウリョウバッタ 茶色
ショウリョウバッタ 緑
ハラビロカマキリ 茶色
ハラビロカマキリ 緑
そんな色の違いに注目して、バッタやカマキリ観察を楽しんでください。(S)
バッタと言えば、大きな体の「トノサマバッタ」が良く知られていて、公園でも観察できます。
さて、この「トノサマバッタ」、お馴染みは緑色ですが、茶色のものもいます。
トノサマバッタ 緑
トノサマバッタ 茶色
翅の色はどちらも茶色ですが、頭・胸・後ろ足に違いがあるのです。
捕まえたり、写真に撮ったりして比べてみると、確かにその体の作りは同じです。
同じ種類なのに、緑色のものと茶色のものとふたつの色のタイプがあるものには
ショウリョウバッタや、カマキリの仲間にも見られます。
ショウリョウバッタ 茶色
ショウリョウバッタ 緑
ハラビロカマキリ 茶色
ハラビロカマキリ 緑
そんな色の違いに注目して、バッタやカマキリ観察を楽しんでください。(S)
8月のみどころ ~ ハクセンシオマネキ ~
2024年07月31日
8月のみどころは「ハクセンシオマネキ」というカニ観察をお勧めします!
観察ホールの望遠鏡を使って、干潮時に目の前に現れる干潟を見てみると
ものすごい数のカニが居るのに気が付きますが、そのほとんどがヤマトオサガニです。
その中から、ぜひ、「ハクセンシオマネキ」を探してみてください。
※参考:環境省レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類となっています。
縄張り激戦区
にらみあい
にらみあい
ハクセンシオマネキは甲羅の幅が2cm程の小さなカニですが
オスは片方のハサミが極端に大きい特徴を持っているので、すぐにそれと分かります。
観察ホールの近くにも沢山集まっている所があり
縄張り争いの激戦区になっています。上の画像1枚目
そして、オス同士が近づきすぎると、まずは、にらみ合いが始まります。
2枚目の画像はまだ穏やかな感じですが
3枚目の画像ではハサミを横に広げて、その大きさを誇示しているようです。
雄たけび
決闘
上1枚目の画像は、大きくハサミを振り上げて、さらに自分の強さをアピールしているところです。
このハサミの動きが「潮を呼んでいる仕草」の様に見えるため
「潮招き=シオマネキ」と名付けられています。
「ハクセン」はその大きな白いハサミが、まるで「白い扇子」の様だからだそうです。
そして、さらにその距離が縮まると、上画像2枚目の様に「決闘」が始まります。
右のハサミが大きい
左のハサミが大きい
超合金の様なハサミ
ところで、このオスの大きなハサミ、必ず右が大きいなどといった決まりはなく
上の画像の様に左が大きい個体と右が大きい個体とどちらも居ます。
また、ちょっと角度を変えて見てみると(3枚目)、その構造は
「ガンダ○」か、はたまた「エヴァンゲリ○ン」かと、超合金を思わせるハサミと分かります。
この様に小さな体のわりに、大きなハサミを持つ「ハクセンシオマネキ」の魅力を
ぜひともご堪能いただければと思います。
チラ見
最後の画像は、警戒しながらも巣穴の中から「チラ見」している様子です。
ソメイヨシノのサクランボが膨らみはじめた様な目がキュートじゃないですか。(S)
観察ホールの望遠鏡を使って、干潮時に目の前に現れる干潟を見てみると
ものすごい数のカニが居るのに気が付きますが、そのほとんどがヤマトオサガニです。
その中から、ぜひ、「ハクセンシオマネキ」を探してみてください。
※参考:環境省レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類となっています。
縄張り激戦区
にらみあい
にらみあい
ハクセンシオマネキは甲羅の幅が2cm程の小さなカニですが
オスは片方のハサミが極端に大きい特徴を持っているので、すぐにそれと分かります。
観察ホールの近くにも沢山集まっている所があり
縄張り争いの激戦区になっています。上の画像1枚目
そして、オス同士が近づきすぎると、まずは、にらみ合いが始まります。
2枚目の画像はまだ穏やかな感じですが
3枚目の画像ではハサミを横に広げて、その大きさを誇示しているようです。
雄たけび
決闘
上1枚目の画像は、大きくハサミを振り上げて、さらに自分の強さをアピールしているところです。
このハサミの動きが「潮を呼んでいる仕草」の様に見えるため
「潮招き=シオマネキ」と名付けられています。
「ハクセン」はその大きな白いハサミが、まるで「白い扇子」の様だからだそうです。
そして、さらにその距離が縮まると、上画像2枚目の様に「決闘」が始まります。
右のハサミが大きい
左のハサミが大きい
超合金の様なハサミ
ところで、このオスの大きなハサミ、必ず右が大きいなどといった決まりはなく
上の画像の様に左が大きい個体と右が大きい個体とどちらも居ます。
また、ちょっと角度を変えて見てみると(3枚目)、その構造は
「ガンダ○」か、はたまた「エヴァンゲリ○ン」かと、超合金を思わせるハサミと分かります。
この様に小さな体のわりに、大きなハサミを持つ「ハクセンシオマネキ」の魅力を
ぜひともご堪能いただければと思います。
チラ見
最後の画像は、警戒しながらも巣穴の中から「チラ見」している様子です。
ソメイヨシノのサクランボが膨らみはじめた様な目がキュートじゃないですか。(S)
7月のみどころ ~ まだまだ続くセッカの子育て ~
2024年06月30日
7月になると、それまで盛んに鳴いていた野鳥の声
特に「さえずり」と呼ばれる繁殖期にオスが発する
「縄張り主張」と「メスへのアピール」の声(ウグイスであれば♪ホ~ ホケキョッ♪)
が少しずつ聞かれなくなります。
これは、多くの野鳥の繁殖期(交尾・造巣期)の終わりを意味します。
セッカ
ところが、画像の「セッカ」という野鳥は
毎年8月、9月になっても「さえずり」を確認することができます。
見た目の特徴は、13㎝の小さな体は日本でも最小クラスのサイズと
尾羽の模様に強いコントラストがあることです。
セッカ さえずり飛翔
セッカ
また、飛びながら「さえずる」ディスプレイフライト(さえずり飛翔)を行い(画像左)
その鳴き声も ♪ヒッ ヒッ ヒッ♪ と ♪チャチャッ チャチャッ♪と2種類を使い分けます。
小さな体ながら声量もあり、そのアピール方法も含め存在感のある野鳥です。
繁殖期の口の中が真っ黒になるのも「みどころ」で
運がいいと、ヨシの茎や葉に止まって鳴いている時に確認することができます。(画像右)
セッカ 巣材運び
巣はクモの糸を使って、まるで裁縫でもするかのように作り
チガヤの穂などを運ぶ様子も観察できます。
他の野鳥より長く続くセッカの繁殖行動を、ぜひ注意して観察してみてください。
7月のぶち楽しいバードウォッチング④は「まだまだ続くよセッカの子育て」です。
少し多めにセッカ観察を楽しみたいと考えているので
気になる方は参加募集チラシをご覧いただき、ぜひお申込みください。
2024.07.14(日) ぶち楽しいバードウォッチング④「まだまだ続くよセッカの子育て」募集チラシ
宜しくお願いいたします。(S)
特に「さえずり」と呼ばれる繁殖期にオスが発する
「縄張り主張」と「メスへのアピール」の声(ウグイスであれば♪ホ~ ホケキョッ♪)
が少しずつ聞かれなくなります。
これは、多くの野鳥の繁殖期(交尾・造巣期)の終わりを意味します。
セッカ
ところが、画像の「セッカ」という野鳥は
毎年8月、9月になっても「さえずり」を確認することができます。
見た目の特徴は、13㎝の小さな体は日本でも最小クラスのサイズと
尾羽の模様に強いコントラストがあることです。
セッカ さえずり飛翔
セッカ
また、飛びながら「さえずる」ディスプレイフライト(さえずり飛翔)を行い(画像左)
その鳴き声も ♪ヒッ ヒッ ヒッ♪ と ♪チャチャッ チャチャッ♪と2種類を使い分けます。
小さな体ながら声量もあり、そのアピール方法も含め存在感のある野鳥です。
繁殖期の口の中が真っ黒になるのも「みどころ」で
運がいいと、ヨシの茎や葉に止まって鳴いている時に確認することができます。(画像右)
セッカ 巣材運び
巣はクモの糸を使って、まるで裁縫でもするかのように作り
チガヤの穂などを運ぶ様子も観察できます。
他の野鳥より長く続くセッカの繁殖行動を、ぜひ注意して観察してみてください。
7月のぶち楽しいバードウォッチング④は「まだまだ続くよセッカの子育て」です。
少し多めにセッカ観察を楽しみたいと考えているので
気になる方は参加募集チラシをご覧いただき、ぜひお申込みください。
2024.07.14(日) ぶち楽しいバードウォッチング④「まだまだ続くよセッカの子育て」募集チラシ
宜しくお願いいたします。(S)
6月のみどころ ~ トンボの見頃ろ ~
2024年05月31日
チョウトンボ
ギンヤンマ
ヒヌマイトトンボ
6月~7月はトンボ観察をお勧めします。
というのは、この時期は1年を通して種数と個体数が多いからです。
例えば、チョウトンボはメタリックの羽が鮮やかなトンボですが
当公園では7月になると50頭ほどの群れになって乱舞する様子を観察できることがあります。
また、環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠA類に指定されている
ベッコウトンボの成虫発生のシーズンは終了していますが
続くように絶滅危惧ⅠB類のヒヌマイトトンボの成虫が6月~7月に発生します。
ただし、ヒヌマイトトンボは個体数が非常に少ないので観察には根気が必要です。
ギンヤンマは大型なので、見つけやすく、その堂々とした振る舞いは
当公園のキング・オブ・トンボ!と言える存在です。
トンボはその形態によりいくつかの科に分けられていて
それぞれ大きさや体型だけでなく、止まり方や翅の閉じ方も違いがあります。
上の画像で確認できるように
チョウトンボ ⇒ 翅を広げて地面と水平に止まることが多い。
ギンヤンマ ⇒ 翅を広げてぶら下がるように止まる。ヤンマの仲間
ヒヌマイトトンボ ⇒ 翅を閉じて止まる。イトトンボの仲間
また、縄張り争いや、テリトリーのパトロールの他
交尾や産卵などの行動を観察するのも楽しいものです。
これからの季節、「トンボの見頃ろ」となってきます。(S)
5月のみどころ ~ オオヨシキリ ~
2024年05月01日
オオヨシキリ
オオヨシキリ
オオヨシキリ幼鳥
毎年4月20日頃になると
公園のヨシ原に ♪ギョギョシ ギョシ ギョッギョッギョッ♪と
大きな声で鳴く野鳥が渡ってきます。
今年は4/16(火)に園内に響き渡るその声を確認できました。
その野鳥の名前は「オオヨシキリ」。
オリーブがかった褐色の上面に、腹部は白のツートンカラーと控えめな色合いですが
体長が18㎝とスズメよりもひと回り大きい上、とにかく大きな声でさえずるので
見つけるのはそれ程難しくはありません。
ヨシの葉や茎に止まって鳴くだけでなく、周辺の樹木の上で鳴くこともあるので
声を頼りに姿を探してみてください。
上手に探すことができたなら、お勧めは口の中の色合いの観察です。
鮮やかなオレンジ色が印象に残るはずです。
ヨシ原で子育てを行い、6月になると巣立った幼鳥も見つけやすくなります。3枚目の画像。
7月になると、次第にさえずりも聞こえなくなり
9月になると東南アジアなどで越冬するための渡りが始まります。
公園で繁殖する夏鳥「オオヨシキリ」をじっくり観察してみてください。(S)
4月のみどころ ~ ベッコウトンボ ~
2024年03月31日
ベッコウトンボ オス
ベッコウトンボ メス
3/31(日)に今年初認となるベッコウトンボの成虫を確認しました。
これからヨシ原周辺ではベッコウトンボの成虫が見られるようになります。
ベッコウトンボは全国でも生息場所が限られており
生息数も少ないため環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されているトンボです。
人工飼育のケース
人工飼育の幼虫
人工飼育個体の羽化
また、種の保存法により希少野生動植物種に指定されており
環境省の許可を得ず捕獲や飼育することが禁止されていますが
当公園では保護のため、許可を得て人工飼育も試みています。
未成熟の成虫の体色は名前の通りベッコウ(海亀の甲羅で作った加工品)の色で
成熟するとオスは黒色、メスは濃い茶色になります。メスや未成熟のオスは草地で過ごすので
この色だと見つけにくいからだと考えられています。ただし、成熟したオスは水辺で縄張りを
持つようになり、見つけやすくなるので観察してみてください。
5月いっぱいが成虫の発生する時期です。
ベッコウトンボに関する行事のお知らせ!
●4/27(土)10:00~12:00「ベッコウトンボ調査」※雨天時は中止
●5/3(金祝)10:00~12:00「ベッコウトンボ観察会」※雨天順延の場合は5/5(日)
近々チラシも掲載いたします。ぜひ、ご参加ください!
どうぞ、宜しくお願いいたします。(S)
3月のみどころ ~ ヨシ焼き後に集まる野鳥 ~
2024年02月28日
ヨシ焼き
ヨシの健全な成育のため、毎年3月の第1土曜日は「ヨシ焼き」が実施されます。
もちろん、焼いた後は真っ黒焦げの景色となり
こんな所に生き物は居ないかのように見えますが
露出した地面は、意外と彼らにとっての食べ物が都合良く採れるため
青々とした、或いは枯れたヨシ原とはまた違った、野鳥たちが集まります。
ヒバリ
タヒバリ
まずはヒバリ。
開けた草原や農耕地を好み、公園の外の干拓地の方が見つけやすいですが
真っ黒焦げのヨシ焼き跡地は格好の採食場所となります。
タヒバリもそんな焼き跡で見かける場合があります。
胸・腹に縦斑がありビンズイに似ていますが
上面が灰色味がかるのと、目の後方下にある白斑がはっきりしないことで区別できます。
ツグミ
タシギ
シロハラに比べ、開けた明るい場所で採食するツグミも来るかもしれません。
今年は2月になってから個体数が増えてきたように感じるので期待しましょう。
それと、タシギも見つけやすくなりますが、こちらに気づくとじっして動かなくなり
距離が近づき我慢の限界になると、やっと♪ジェッ♪と鳴いて一直線に飛び去ります。
たいてい人間の方が後から気づくことがほとんどで、突然の飛び立ちにドキッとさせられます。
その他、水位によってはカモのシマアジが入ることもあります。
そんなヨシ焼き跡地にご注目ください!
ちなみに今年の「ヨシ焼き」は3/2(土)。
気になる方はボランティア募集チラシをご覧ください。
「ヨシ焼き」ボランティア募集チラシ
見学だけでも構いません。
「阿知須の春の風物詩」としてお楽しみください。(S)
2月のみどころ ~ 二ホンアカガエルの産卵 ~
2024年01月28日
卵塊
オタマジャクシ
成体
今年の立春は2月4日(日)で、この日を境に春がやってくるという意味がありますが
気温の上で暖かいと感じることはまだまだ先のことですよね。
そんな寒さの中でも、ニホンアカガエルは産卵の時期を迎えます。
昨年は1月25日の大寒波の中で、公園の西園路にあるビオトープで3つの卵塊を確認しましたが
今年は暖冬傾向なのに、まだ確認できていません。※実は今日は見に行けてないんですよね...
明日から温かい雨が降るので、ニホンアカガエルの産卵スイッチが入るのではと思います。
水温等によりふ化するまでの期間は違ってくると思いますが
2月中旬~下旬位にはオタマジャクシの姿が見られることでしょう。
産卵の期間が長く、卵塊によって成長具合の違いを比べたり
最大で何個まで増えるか毎週数えてみたりなど、みどころはいっぱいです!
成体は3枚目の画像。
産卵は暗い内に行われるので、なかなか姿を見ることはありませんが
それでも産卵期間中は水辺から離れず水中や近くの草むらに潜んでいるので
じっくり探せば親ガエルも見つかるかもしれません。
また、ノスリという鷹はカエルも大好きなので
ビオトープの近くに居るかもしれません。
そんな自然のつながりも楽しんでみてください。(S)