新光産業きらら浜自然観察公園は、野鳥などのたくさんの生きものを観察し自然に親しむことができる公園です。 

 

新光産業株式会社

生きもの図鑑「トンボ図鑑」

トンボ科

ハラビロトンボ Lyriothemis pachygastra 

観察できる時期は4月中旬~10月上旬。大きさは35mm前後。
和名の通り腹部が太くて短いトンボです。未成熟時はオス、メスとも黄色の地に黒い斑紋がありますが、オスは成熟すると黒化し、さらに白粉を生じて青灰色に変化します。公園ではビオトープやヨシ原などで見られます。
ハラビロトンボ♂

シオヤトンボ Orthetrum japonicum japonicum 

観察できる時期は4月中旬~6月下旬。大きさは45mm前後。
よく似たシオカラトンボと比べ、腹部が太く、ずんぐりとしています。未成熟時はオス、メスとも黄色の地に黒の斑紋があります。オスは成熟すると黒化し、さらに白粉を生じて青灰色に変化します。個体数は多くありませんが、近年は確認例が増えつつあります。
シオヤトンボ♂

シオカラトンボ Orthetrum albistylum speciosum 

観察できる時期は4月中旬~10月中旬。大きさは55mm前後。
未成熟時はオス、メスとも黄色の地に黒の斑紋があり、ムギワラトンボと呼ばれます。オスは成熟すると黒化し、さらに白粉を生じて青灰色に変化します。公園では淡水池やヨシ原、その周辺でごく普通に見られ、真夏になると個体数が急増します。
シオカラトンボ♂

オオシオカラトンボ Orthetrum triangulare melania 

観察できる時期は5月中旬~10月下旬。大きさは55mm前後。
シオカラトンボに似ていますが、シオカラトンボよりがっちりとしています。オスに生じる白粉は青みの強いもので、頭部を除く全身が青くなります。主に内陸の止水域に生息するため、公園で見られることはあまりありません。
オオシオカラトンボ♂

ヨツボシトンボ Libellula quadrimaculata asahinai 

観察できる時期は4月中旬~7月上旬。大きさは45mm前後。
体色がベッコウトンボの未成熟個体とよく似ています。本種はやや大きく、成熟してもほとんど体色が変化しません。ベッコウトンボと競合するため、一般的には体の大きい本種が優勢となります。公園では個体数は増加傾向にあります。ヨシ原で見られます。
ヨツボシトンボ♂

ベッコウトンボ Libellula angelina 

絶滅危惧IA類(山口県2002年RDB)
観察できる時期は4月中旬~6月下旬。大きさは40mm前後。
未成熟時は体色がベッコウ色をしていますが、オスは成熟すると真っ黒に、メスは濃い茶色に変化します。山口県の絶滅危惧ⅠA類に指定されていて、なおかつ種の保存法により捕獲が禁止されています。かつては山口県の中~西部に多数の生息地がありましたが、現在では公園のヨシ原が唯一の生息地となっています。
ベッコウトンボ♂

アオビタイトンボ Brachydiplax chalybea flavovittata 

観察できる時期は4月中旬~10月下旬。大きさは45mm前後。
和名の通り額が青く、オスは成熟すると腹部の一部が黒化し、さらに白粉を生じて青灰色に変化します。南方系のトンボで、2010年に偶然飛来した個体が県内初記録となり、現在では発生が確認され、定着しました。
アオビタイトンボ♂

ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea 

観察できる時期は5月下旬~9月下旬。大きさは20mm以下。
日本最小のトンボで、オスは成熟すると全身が真っ赤になります。日当たりが良く、水がにじみ出る湿地や休耕田に生息するため、公園では偶然飛来した個体が確認されたものと思われます。2017年に1回だけ飛来が確認されました。
ハッチョウトンボ♂

コフキトンボ Deielia phaon 

観察できる時期は5月中旬~9月中旬。大きさは45mm前後。
シオカラトンボとよく似ていますが、やや小型でずんぐりとしています。性別や成熟度による体色の違いはあまりありません。個体数はかなり多く、汽水域にも生息するため園内の全域で見られます。
コフキトンボ♂

ショウジョウトンボ Crocothemis servilia mariannae 

観察できる時期は4月下旬~10月下旬。大きさは50mm前後。
オスは成熟すると全身真っ赤に変化するので、アカトンボと間違えられますが、アカトンボの仲間ではありません。アカトンボとの違いは、初夏には成熟する、腹部が扁平である、胸に筋模様がないなどの点です。淡水域の水辺でごく普通に見られます。
ショウジョウトンボ♂

ナツアカネ Sympetrum darwinianum 

観察できる時期は6月中旬~7月上旬、9月下旬~12月上旬。大きさは40mm以下。
赤トンボの代表種です。初夏に羽化するとすぐに高地へ移動し、秋になると水辺に戻ってきます。未成熟時は赤トンボ共通の黄色い体色をしていますが、オスは成熟すると全身真っ赤に変化し、メスも赤みが濃くなります。年により個体数の増減が大きいトンボです。
ナツアカネ♂

アキアカネ Sympetrum frequens 

観察できる時期は6月上旬~6月下旬、11月上旬~12月上旬。大きさは40mm前後。
ナツアカネとともに赤トンボの代表種です。初夏に羽化するとすぐに高山へ移動し、秋になると水辺に戻ってきます。数百㎞移動することもあります。オスは成熟すると腹部のみ赤く変化します。公園では個体数は多くありません。
アキアカネ♂

タイリクアカネ Sympetrum striolatum imitoides 

観察できる時期は6月中旬~6月下旬、10月中旬~12月上旬。大きさは45mm前後。
初夏に羽化するとすぐにかなりの長距離を移動するらしく、秋になると水辺に戻ってきます。オスは成熟すると朱色がかった赤に変化します。汽水域でも生息できるようで、公園では多く見られます。晩秋最も遅くまで観察できるトンボです。
タイリクアカネ♂

タイリクアキアカネ Sympetrum depressiusculum 

観察できる時期は10月上旬~11月下旬。大きさは35mm前後。
アキアカネに非常に近いトンボで、秋に中国大陸より少数が飛来する迷トンボです。山口県では主に日本海側に飛来し、瀬戸内側に飛来するのはごくまれです。公園では10月上旬に数度確認されています。メスの半数程度はオスと同じような体色をしているとされています。
タイリクアキアカネ♀

マユタテアカネ Sympetrum eroticum eroticum 

観察できる時期は6月中旬~11月下旬。大きさは40mm以下。
顔面に一対の黒い眉状の斑紋があるのが和名の由来です。メスは四翅の先端に黒褐色帯がある個体が見られることがあります。未成熟個体は水辺からやや移動します。山間部の池に多く、公園では個体数は多くありません。
マユタテアカネ♂

マイコアカネ Sympetrum kunckeli 

観察できる時期は6月下旬~11月下旬。大きさは35mm前後。
成熟するとオスの顔面が青白色に変化する美しいトンボです。未成熟個体はほとんど移動せず、成熟するまで水域付近にとどまります。公園では淡水域に多く生息しますが、減少傾向にあります。晩秋に成熟するオスの顔面はほとんど白いままで、まるで別種のようです。
マイコアカネ♂

オナガアカネ Sympetrum cordulegaster 

観察できる時期は6月上旬~7月上旬、10月上旬~11月下旬。大きさは40mm未満。
メスの産卵弁が腹端より大きく突出するのが和名の由来です。秋に中国大陸より少数が飛来する迷トンボとされていますが、公園では6~7月に未成熟個体が確認されており、発生しているものと思われます。
オナガアカネ♂

リスアカネ Sympetrum risi risi 

観察できる時期は6月中旬~11月下旬。大きさは40mm前後。
四翅の先端に黒褐色帯があります。オスは成熟すると腹部のみ赤く変化します。未成熟個体はあまり水辺を離れません。樹木に囲まれた池が主な生息地ですが、公園でもたくさん見られます。和名の由来はスイスのトンボ学者フリードリヒ・リスにちなんでいます。
リスアカネ♂

ノシメトンボ Sympetrum infuscatum 

観察できる時期は6月中旬~7月上旬、9月中旬~11月下旬。大きさは45mm前後。
四翅の先端に黒褐色帯があり、リスアカネとよく似ていますが、体色、胸部の筋模様、腹部の模様で見分けます。未成熟個体は水辺を離れ、オスは成熟すると黒みがかった赤色に変化します。個体数は多く、たくさん見ることができます。
ノシメトンボ♂

コノシメトンボ Sympetrum baccha matutinum 

観察できる時期は10月上旬~11月下旬。大きさは40mm前後。
四翅の先端に黒褐色帯があり、リスアカネやノシメトンボとよく似ていますが、オスの全身が真っ赤に変化することと、胸部の筋模様で見分けます。主な生息地は山間部の池で、公園では個体数は多くありません。
コノシメトンボ♂

ネキトンボ Sympetrum speciosum speciosum 

観察できる時期は6月上旬~11月上旬。大きさは45mm前後。
オスもメスも四翅の付け根の広い範囲が赤みがかったオレンジ色をしていて、オスは成熟すると真っ赤になるため、ショウジョウトンボとよく似ますが、胸には黒くて太い筋模様があります。主に山間部の池に生息し、公園は環境が異なりますが、2年続けて飛来しました。
ネキトンボ♂

キトンボ Sympetrum gracile 

観察できる時期は6月下旬~11月下旬。大きさは45mm前後。
アカトンボ類のなかでは腹部が太く、がっしりとしています。四翅の付け根から半分ほどと、前縁部が鮮やかなオレンジ色です。体色は成熟度にかかわらず、あまり変化しません。樹木に囲まれた山間部の池に主に生息し、公園では個体数は多くありませんが、少数が定着しているようです。
キトンボ♂

コシアキトンボ Pseudothemis zonata 

観察できる時期は5月中旬~10月上旬。大きさは45mm前後。
腹節の一部に黄白色の帯がある真っ黒なトンボで、オスの帯は成熟すると真っ白に変化します。この帯により腰が空いているように見えることが和名の由来です。飛翔能力が高く、とまっているところを見る機会はあまりありません。
コシアキトンボ♂

ウスバキトンボ Pantala flavescens 

観察できる時期は4月下旬~10月下旬。大きさは50mm前後。
体色がオレンジ色で、体長の割に大きな翅を持っています。長距離を渡ることで有名で、毎年春以降南西諸島以南から飛来し、8月下旬頃に最も多く出現します。ただし九州以北では越冬できず、飛来と死滅を繰り返す不思議なトンボです。
ウスバキトンボ♂

ハネビロトンボ Tramea virginia 

観察できる時期は9月上旬~10月下旬。大きさは55mm以下。
後翅が大きく、その付け根に独特の斑紋があります。未成熟時の体色は橙色ですが、オスは成熟すると腹部が真っ赤に変化します。秋に南方より少数が飛来する迷トンボで、公園ではまれに見られます。
ハネビロトンボ♂

チョウトンボ Rhyothemis fuliginosa 

観察できる時期は6月上旬~9月下旬。大きさは40mm以下。
体長の割に翅が非常に大きく、しかも後翅は幅広いため、チョウのようにひらひらと飛翔します。未成熟時には樹林帯の上空でよく群飛します。黒っぽい翅には金属光沢があり、光の当たり具合によって様々な色に見えます。7月頃には多数見られます。
チョウトンボ♂