新光産業きらら浜自然観察公園は、野鳥などのたくさんの生きものを観察し自然に親しむことができる公園です。 

 

新光産業株式会社

生きもの図鑑「トンボ図鑑」

イトトンボ科

ヒヌマイトトンボ Mortonagrion hirosei 

絶滅危惧IA類(山口県2002年RDB)
観察できる時期は6月下旬~7月下旬。大きさは30mm以下。
オスは頭と胸の上部に4つの白斑があるのが特徴で、メスはオスと同じ色の同色型もかなり見られます。汽水域のヨシ原に生息する特殊なトンボで、山口県の絶滅危惧ⅠA類に指定されています。公園では2014年7月に初確認され、分布は局地的ながら定着しています。
ヒヌマイトトンボ交尾

キイトトンボ Ceriagrion melanurum 

観察できる時期は5月中旬~9月下旬。大きさは40mm前後。
オスの腹部は鮮やかな黄色です。メスはオスと同じような体色の場合と、全身緑色の場合があります。主にビオトープやその周辺で見られます。一般的な湿地での普通種ながら公園では個体数は多くありませんが、近年増加傾向にあります。

キイトトンボ交尾

ベニトトンボ Ceriagrion nipponicum 

絶滅危惧II類(山口県2002年RDB)
観察できる時期は5月中旬~9月下旬。大きさは40mm前後。
オスは全身が鮮やかな赤色で、メスは赤みを帯びた緑色です。未成熟時も色が薄い程度で、あまり変わりません。同じような環境に生息するキイトトンボと比べて生息数がずっと少なく、山口県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されていますが、公園内での個体数は多く、ヨシ原やその周辺で普通に見ることができます。
ベニトトンボ産卵

ホソミイトトンボ Aciagrion migratum 

観察できる時期は周年。大きさは40mm前後。
イトトンボの中でも腹部が細いトンボです。日本産トンボの中で、オツネントンボ、ホソミオツネントンボとともに成虫で越冬する特殊なトンボです。ビオトープやその周辺で見られますが、個体数は少なく、近年は確認されていません。
ホソミイトトンボ♂

アオモンイトトンボ Ischnura senegalensis 

観察できる時期は4月下旬~10月下旬。大きさは35mm以下。
オスは成熟すると青緑色や青色に、メスはオレンジ色からすすけた緑色に変化しますが、メスは個体差が大きく、オスと同じ色の同色型も多数見られます。個体数は非常に多く、園内全域で見ることができます。汽水域にも生息します。
アオモンイトトンボ交尾

アジアイトトンボ Ischnura asiatica 

観察できる時期は4月下旬~9月下旬。大きさは35mm以下。
アオモンイトトンボと非常によく似ており、オスは腹端の青色の場所で見分けます。アオモンイトトンボと同じような環境に生息しますが、個体数はずっと少なく、汽水域には生息しません。ビオトープやその周辺で見ることができます。
アジアイトトンボ交尾

クロイトトンボ Paracercion calamorum calamorum 

観察できる時期は4月下旬~9月下旬。大きさは35mm以下。
和名の通り黒みの強いイトトンボで、オスは成熟すると青白色の粉を生じます。メスは緑色の個体と、オスに似た青色の個体がいます。一般的には普通種ですが、公園ではヨシ原周辺のクリークで少数が見られる程度です。
クロイトトンボ産卵

ムスジイトトンボ Paracercion sexlineatum 

観察できる時期は4月下旬~9月下旬。大きさは35mm前後。
オスは成熟すると鮮やかな青色に変化します。メスは褐色がかった緑色です。アオモンイトトンボとともに公園内で最も個体数の多いトンボの一つです。オスは成熟すると、水面上の水草などにとまって縄張りを形成します。汽水域にも生息し、園内全域で見られます。
ムスジイトトンボ交尾

セスジイトトンボ Paracercion hieroglyphicum 

観察できる時期は5月上旬~9月下旬。大きさは35mm以下。
ムスジイトトンボと非常によく似ており、後頭部の斑紋や胸部の筋模様、腹端の模様で見分けます。池などの止水域のほかに、流れの緩やかな河川にも生息し、淡水池やヨシ原、その周辺で少数が見られることがあります。
セスジイトトンボ♂